“Tug of War” (1982)
すべてここから始まった、というべき曲。
中学2年生の時に当時流行っていたこの曲をラジオで聞いて、すぐに大好きになりました。はっきりと思い出せないのですが、おそらくFMではなくMBSのヤングタウン(ヤンタン)とかの深夜放送だったと思います。歌詞はわからないけれど、なんていい曲なんだろうと感動したことは覚えています。初めて興味を持った英語の歌でもありました。その後ラジオから録音する機会に恵まれ、何度も繰り返し聞きました。また、その当時「明星」や「平凡」といった芸能雑誌を買っていましたが、特に好きなアイドルがいるわけでもなく、お目当ては付録の歌本だったのです(当時よく聴いていたのはオフコースでした)。 私は5才からエレクトーンを習っていて、楽譜やコードが載っている歌本は、テキスト以外に自分で好きな曲をアレンジして弾ける貴重な情報源でした。その歌本には毎月何曲か海外の曲も紹介されており、Ebony and Ivoryも楽譜が掲載されていました。しかもご丁寧に、英語の歌詞の上にはカタカナで読み方が書かれていて、必死で歌詞も覚えました。やがてこの歌を歌っている人たちに興味がわき、ポール・マッカートニーという人は、元ビートルズのメンバーだった→ビートルズというのはその前年か2年位前にガムのCMで流れていたカモン、カモーンという曲(Please Please Me)を歌っていたグループ、などとどんどん知識も増えていきました。
その後しばらくしてクリスマスがやって来て、家族で買い物に出かけた時に、父が私と弟にLPレコードを1枚ずつ買ってくれるというのです。なぜか翌週にももう1枚買ってあげる、というよくわからないオファーでした。その時私は”Tug of War”とビートルズの”20 Greatest Hits”の2枚で本当に時間をかけて悩んだあげく”Tug of War”を選びました(翌週にはもちろん20 Greatest Hitsを買ってもらいました)。初めての英語のレコードで、家に帰ってどきどきしながらステレオのスイッチを入れたのを覚えています。Ebony and IvoryはB面のラストに入っていて、A面はTug of WarとかTake It Away、最近のライブで定番となったHere Today、B面はBallroom Dancing、Wanderlastなどいい曲が多く、またポールが曲ごとに、同じ人が歌っていると思えないほどボーカルスタイルを変えているのも驚きでした。こうやって外国の音楽の世界、そしてビートルズ・ワールドに足を踏み入れてしまった私は、その日以降まったく日本の音楽に興味がなくなってしまいました。あれから40年近い年月が過ぎましたが、今でも”Tug Of War”というアルバムが大好きですし、ポールの全作品の中でも間違いなく傑作のひとつだと思っています。ポールは今までそういった話を何百何千と聞いてきたに違いありませんが、もしいつか何かの間違いで私にポールに直接会える機会が与えられたなら、Ebony and IvoryとTug of WarのLPが私の人生を変えたことを感謝の気持ちと一緒に伝えたいです。
Ebony and Ivoryはポールがひとりで歌っているSolo Versionというのもあり、実はそちらも大好きだったりします。ポールのボーカルの上手さを堪能できるのと、彼の優しさがものすごく伝わってきて、ほっこりとした気持ちになります。
それから、エレクトーンの話にはオチ(?)があって、洋楽を聞き始めてから改めてエレクトーンの古いテキストを見てみると、ほとんどがビートルズ、カーペンターズなどの洋楽の曲ばかりでした。元の曲を聞いたことがないのに、知らず知らずのうちに洋楽に触れていたようです。あと、自分の記憶の最初にある外国のミュージシャンといえば、ベイ・シティ・ローラーズです。小学校の1年生か2年生の時に、当時不二家から発売されていたキットカットのCMに出ていました。学校で仲のいい友だちに、ベイ・シティ・ローラーズって知ってる?って聞いたら、その子の年上のいとこのお姉さんがBCRの大ファンだったらしく、すっごい詳しく教えてくれたのを覚えています。その時に、ベイ・シティ・ローラーズ=タータンチェックというのも刷り込みされました。
まだ2回目なのに、平成最後のブログとなりました。明日から令和。まだまだこれからも、コンサートにたくさん行けることを願いつつ、新しい時代を迎えたいと思います。
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