“All ‘N All” (1977)
アース・ウィンド・アンド・ファイアー(以下EW&F)を初めて聞いたのは高校3年生の時でした。その頃、当時流行っていたバラード路線のシカゴChicagoではなく、70年代のブラス・ロックのシカゴにはまりかけていた私は、同じクラスの仲のいいグループの女の子にそのことを伝えたところ、私が絶対気に入るバンドのLPを持って来てあげる、と言って次の日に貸してくれたのがEW&Fでした。2枚持って来てくれたのですが、どちらもすごく幻想的なきれいなイラストのジャケットで、その中で一番気に入った曲がFantasyでした。友だちはバレーボール部の確かキャプテンで、ショートカットのさっぱりした性格の子で、ちょっとこういう音楽を聞くのが意外な気がしたのを覚えています。確かに彼女の言ったとおり、他の曲もホーン・セクションが前面に出て、私好みの音楽でした。
Fantasyは日本で一番人気のあるEW&Fの曲だそうで、なんだかわかりますね。私もやっぱり日本人なので、この曲大好きです。アメリカではビルボードのHot100で32位どまりだったのですが、日本ではオリコンチャートで1位を獲得するなど当時から大人気だったようです。アメリカではEW&Fの曲でラジオなんかでよく流れていたのは、September、Boogie Wonderland、Let’s Grooveあたりでしょうか。After The Love Is Goneも時々聞いたかな。個人的にはビートルズのカバーのGot To Get You Into My Lifeも好きです。バンドとしてのEW&Fはホーン・セクションもいいですが、フィリップ・ベイリーさんの高音が心地よいです。もちろんモーリス・ホワイトさんの声も素敵ですが、残念ながら2016年に亡くなられていますね。とても多才な方でした。友達にLPを借りた高校3年生当時、私は60年代のモータウンやStaxの輸入盤LPも集め始めていて、正直EW&Fは黒人っぽくないなと感じたのですが、やっぱり若かったせいでしょうか。その後、いろんな音楽を聞いて、EW&Fの音楽はジャンルにとらわれない、いろんな音楽がミックスされたユニークなものであることがわかりました。
モーリスさんのソロ、I Need Youもよく覚えているのですが、この曲も日本ですごくヒットしたわりには、アメリカではあんまりだったのですね。確かSONYのCMに使われていたような記憶があります。今回、FantasyについてWikipediaを参照したら、なんとあのフォーリーブスが日本語でカバーしているのですね、びっくり!私はさすがにフォーリーブスの世代ではないですが、幼い頃の記憶にはあります。EW&Fの世界観って独特なので、カバーは難しかったでしょうし、すごい勇気だなと思います。
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