“Tower Of Power” (1973)
とにかくcoolという言葉がぴったりの曲です。
タワー・オブ・パワー(以下TOP)を知ったのは、同じサンフランシスコ・ベイ・エリア出身のヒューイ・ルイス&ザ・ニュース Huey Lewis & the Newsを通じてでした。まずTower of Power Hornsとしてヒューイさんだけでなく、シカゴとも交流があり、ブラス・ロックやホーンがフィーチャーされている音楽が大好きな私は、ある人からもらったテープに入っていたOnly So Much Oil in the Groundがすごくいい曲だなと思って、TOPのアルバムを買ってみました。いわゆるブラス・ロックを代表するシカゴやブラッド・スウェット&ティアーズ、チェイスとも全然違って、ものすごくファンキーな音楽で、すぐに好きになりました。特に好きになったのが、What Is Hip?で、今までまったく聞いたことのないタイプの音楽だと思いました。ホーンはもちろんすごいし、ドラムもなんかすごい、そしてなぜかベースがずーっとダダダダダと動いていて、この人よく指がつらないなと思った覚えがあります。ベースがメロディを奏でているのと同時に、打楽器というかパーカッションのようにずっと鳴っているのです。
TOP単独のライブは、アメリカにいる時にBurbankのそんなに大きくないライブハウスで見ました。オールスタンディングで、間近に見ることができて迫力を感じることができました。一緒にライブに行ったメンバーの中に、日本でもCDが発売されているLAの有名なサルサ・バンドのベーシストの人がいました。彼は時々、私のサルサ・ダンスの先生Marcoのバンドでもプレイしており、そういう縁で一緒に見に行くことになったのですが、面白いことにその人は今でこそサルサ・バンドでプレイしていますが、元々はAC/DCやアイアン・メイデンなどのハード・ロック・ファンで、その人はTOPはホーン・セクションではなくベースのロッコ・プレスティアさんが一番すごいと言うのです。またベースとコンビであるドラムのデイヴィッド・ガリバルディさんもすごいと。私なんかはホーン・セクションに耳が行きがちで、またベースやドラム、ギターの技術的なことはさっぱりわかりませんが、直感でWhat Is Hip?のドラムとベースが他と違うすごさを感じたのは、間違いではなかったのですね。過去にあのシーラEがこの曲をカバーしようとしたらしいのですが、TOPのホーンズとスケジュールが合わず断念したとのこと。実現していたら、彼女のドラムもcoolだったに違いありません。
ロッコさんは過去に2回ほどご病気で休養されていた時期があります。本名はフランシス・ロッコ・プレスティアとおっしゃるのですね。現在68歳ですが、ものすごく尊敬されているせいか、YouTubeでは彼のビデオがたくさん出てきます。ヒューイ・ルイスさんも昨年ご病気のせいで、ツアーをキャンセルしたと聞きました。TOPの音楽は今でもcoolです。次回また来日したら、ぜひ見に行きたいですし、今でも大好きなヒューイさんもthe Newsのメンバーはすっかり様変わりしましたが、またいつか元気なお姿をライブで見たいものです。
コメントを残す