Whataya Want From Me [Adam Lambert]

“For Your Entertainment” (2009)

昨年からのクイーン人気は、「ボヘミアン・ラプソディ」のDVDが発売されたこともあり、衰えることがありません。その上、来年１月にクイーン＋アダム・ランバートで来日も決まったのですね。大阪は2020年１月28日に京セラドームで行われるとのことですが、あまりにも先のこと過ぎて自分自身のスケジュールがどうなるのかわからないのですが、都合があえばぜひ行きたいと思っています。クイーンのコンサートには行ったことがなく、そもそもフレディ・マーキュリーが最後に日本に来たのはいつなのか調べてみたら、1985年の５月でした。その２か月後の７月にLive Aidに出演していますね。

今回ブライアン・メイやロジャー・テイラーよりも、私は実はアダム・ランバートがいちばん見たいのです。ソロで何回か来日していますが、残念ながら今まで見る機会がなく、でも彼の生のパフォーマンスはぜひ見たいと思っていました。おそらく私はクイーンに対する思いよりも、アダムに対する思い入れの方が大きいのではないかと感じています。

　2005年にアメリカに移る前によく聴いていたCDの1枚がケリー・クラークソン Kelly Clarksonの”Breakway”でした。彼女がアメリカのオーディションテレビ番組「アメリカン・アイドル」のファースト・シーズンの優勝者ということで、アメリカに行ったら絶対この番組を見ようと思っていました。「アメリカン・アイドル」は毎年１月にスタートするので、私は2006年１月のシーズン５から見始めたことになります。毎シーズン何度も電話で投票しましたし、放送の翌日は会社で前夜の感想を言いあったり、今回誰がドロップするかといった話で盛り上がりました。もちろんシーズンが進んでくると、誰が優勝するかという予想が始まります。また、優勝したからといって必ずしも売れるわけではないようで、私が初めて見たシーズン５でいうと、優勝したテイラー・ヒックス Taylor Hicksよりも自身のバンド、Daughtryでデビューした３位のクリス・ドートリー Chris Daughtryの方が売れたように思います。ジェニファー・ハドソン Jenifer Hudsonもシーズン３でTOP３にさえ入っていなかったようですが、今は誰もが知る人になりました。

アダム・ランバートは2009年のシーズン８に登場しましたが、彼はオーディションの時から、やっぱり他の人と違っていました。オーラが違うとでもいうのでしょうか？オーディションの時に歌ったのがBohemian Rhapsodyで未来を予想していたかの選曲です。もちろん審査員（サイモン・カウエル、ランディ・ジャクソン、ポーラ・アブドゥル、カーラ・ディオゴーディ）４人とも彼を絶賛（サイモンはいつものように皮肉っぽかったですが）。私も、彼からは目を離せない、と感じてシーズン中はずっと応援していました。本当に毎回素晴らしいパフォーマンスで、シャウト系だけではなくしっとりとしたバラードも余裕でこなしているように見えました。アレンジも大胆というか独特で、毎回登場するメンターの超大物の方たちにもいい意味で驚かれていたように記憶しています。そんな感じで、自分の家族を応援するような気持ちでシーズン中ずっと見守っていて、優勝は間違いないと思っていましたが、結局彼は２位で、クリス・アレン Kris Allenが優勝しました（クリスは今どこへ？）。

おそらくアダムが優勝するのは、当然すぎてテレビ的にはドラマがなくて面白くないのかもしれません。ファイナルの時に、クリスとアダムはブライアン・メイとロジャー・テイラーをバックにWe Are The Championsを歌っています。これも有名なエピソードですが、この時アダムは、クイーンの新ボーカルにならないかというオファーを受けています。

Whataya Want From Meは「アメリカン・アイドル」終了後、アダムがプロデビューして２枚目のシングルになります。実はこの曲はPinkが自分のアルバムに入れるために作った（共作）曲で、レコーディングまでしたのですが、結局ボツになったようです。Pinkっぽいといえば確かにそう感じますが、でもやっぱりアダムは自分のものとして素晴らしい歌声を聞かせてくれています。

確かオーディションの時だったと思うのですが、サイモン・カウエルがアダムのパフォーマンスを”theatrical”(芝居がかっている)と評価しました。しかし、それこそクイーン、特にフレディ・マーキュリーの跡を継ぐ者に必要な要素ではないのかと、今になってみると感じます。来年１月、アダムのシャウトが京セラドームに響き渡るのが楽しみです。

もうひとつ、アダムといえば、Carpool Karaokeでおなじみのレイト・ショー司会者、ジェームズ・コーデン James Cordenとのクイーンのフロントマン対決がおもしろくて気に入っています！